一般質問原稿「速度超過の車両対策について」
令和2年9月議会の一般質問(2)「速度超過の車両対策について」の原稿です。あくまで、本会議の場で質問する際に参考資料として用意したものです。よって、実際に発言した内容とは異なりますことを、あらかじめご了承ください。
※現時点では議事録が出来上がっていないため、原稿を掲載する方法をとらせていただいています。
【速度超過の車両対策について】
通行する車両の減速を促すため、道路に減速帯を設置して欲しいという要望が出ています。
まず、今回、減速帯設置の要望が出ている道路は、利根中学校から南側、
横須賀の交差点から中学校入り口を通過して、カフェを越えて円明寺の下にある
急カーブへと続く道です。
特に利根中学校から立木方面へ向かい、カフェを通り越して急カーブまでのところです。
この道を常時利用される方たちが、スピードを出し過ぎて通過する車が多く、危ない。
中学生が自転車で登下校している時にも猛スピードで走り去る車があり、危険であるという訴えです。
常時、この道を利用される方々と子どもたちが危ない、頻繁にスピードを出し過ぎている車が通るので速度超過にならないような工夫をして欲しいということです。
車両がスピードを上げて通行する道路への減速帯設置を検討していただけるかどうか、伺います。
A:
減速帯というと、恐らくハンプだと思われるが、ハンプを設置すると通過する時の音がうるさいと騒音の苦情が出る。
そして、ハンプだとオートバイが危険であることから、減速帯・ハンプを設置することは考えていない。
Q:
利根中学校から円明寺の下にある急カーブまで、民家は3軒、建築会社・自動車屋・観光社がそれぞれ1軒ずつです。
民家に関してはたったの3軒ですから、ハンプを設置して騒音調査は簡単です。
騒音調査は行ったのでしょうか?それとも、この沿道で生活される方からハンプをつけたら騒音で困るという訴えがあったのでしょうか?
A:ない。
Q:具体的には、どこから騒音の苦情があったのでしょうか?
また、ハンプがあるとオートバイが危ないという話ですが、ハンプがあることによってオートバイが事故を起こした例は何件あるのでしょうか?
A:知らない
Q:オートバイが危険という話ですが、オートバイは一体何キロで走っているのでしょうか?
そもそもスクーターであれば法定速度は時速30kmです。
30kmで走っていればハンプの手前でより減速しますので、危ないとは思えません。スピードを出し過ぎる車が原因で中学生や近隣のお年寄りが事故にあう方が危険ではないでしょうか。
時速30kmで走らなければいけないオートバイがより減速してハンプを通ること、
何も工夫せずに速度超過の車によって中学生たちが危ないことの方が問題です。
住民の安全のためにも、ぜひハンプの設置を検討してください。お考えを伺います。
A:
そもそも、交通ルールを守ることが当たり前で、道路交通法違反の車に対して取り締まりをするのは警察の役割です。自分たちができることは道路にスピードを落とすように書くぐらい。
Q:
道路交通法違反の車に対して取り締まりをするのは
警察の役割というのはわかります。
そうではなくて、スピード違反というのは、スピードを出し過ぎた結果であり、
過去のことです。
スピード違反を取り締まるのは警察ですが、今、問題としている道路で
スピード違反の取り締まりをしているのを見たことがありませんので、
恐らく現行犯で速度超過を防ぐことは難しいと思います。
大事なことは、取り締まりではなくて、事前に前もってスピードを落とさせることです。
中学生たちが事故にあってから取り締まっても手遅れです。事故を起こさないように、工夫をして欲しいんです。
もう一度伺います。
スピードを出し過ぎる車が多くて危ないので、減速帯・ハンプを設置して
いただくことを検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。
A:
騒音の苦情やオートバイが危ないという理由から、
減速帯・ハンプを設置することは難しい。
Q:
はい。わかりました。それでは、その騒音の苦情について説明いたします。
私は今回、土木学会論文集を調べました。
この土木学会論文集では埼玉大学大学院教授を中心に、
「ハンプの短区間連続設置における周辺環境への影響及び
有効性の検証」について研究されています。
論文によると、世界的に見て日本ではハンプの普及が例外的に遅れているそうです。その理由の一つが騒音・振動問題です。
まず、騒音値や振動値という物理量についてはハンプ設置によって、その影響が軽減されたにも関わらず、沿道住民から騒音への苦情が減らなかったとあります。
この原因を分析した結果、ハンプに乗り上げたり、超えたことによる騒音が原因ではなく、再加速音が不快感をもたらしていることがわかりました。
ハンプを超えたことによる騒音の軽減は、ハンプの形状をサイン曲線と呼ばれる
弓型のものを使うことによって、平均走行速度が時速33km程度の道路であれば
ハンプの速度抑制効果によって騒音の低減が期待でき、振動については振動規制法の要請限度に納まっているという結果が得られていました。
この時点で、ハンプを乗り越えることによる騒音、そして振動による騒音は
問題ないということがわかります。
論文の中では東京都国分寺市と東京都文京区で実施された社会実験を通して、
ハンプによる速度抑制効果が確認できたとあります。
ハンプを超えた後の再加速音が原因で起きた騒音については、
4基のハンプの連続設置間隔を20mにすることで影響を小さくできるとありました。
しかし、この騒音・振動問題はほぼ解消できることが実践と研究で明らかになったので、道路管理者の理解が進めば、ハンプはいつでも促進できる状況にあると書かれています。
道路管理者とは自治体のことですので、ここでいえば利根町ということになります。市町村の理解が進めば、ハンプは促進できると書かれています。
そして最後に、ハンプに対する住民意識調査では、多くの住民が速度抑制効果について十分な実感を得ていた。
これまで影響が心配されてきた振動、騒音に対しても気にならないと
答える回答が多く得られ、ハンプの有効性が実感されたと記されています。
ようするに、土木学会の論文でハンプを設置することで騒音・振動の苦情が起きるというのは、正しい設置をしていないことが原因であると言っています。
この論文の内容、研究結果を聞いても騒音の苦情やオートバイが危ないという理由から、減速帯・ハンプを設置することは難しいのでしょうか。
A:難しい
Q:わかりました。私は、何も工夫せずに速度超過の車によって中学生たちが危ないことは町にとっての大問題だと思っています。
中学生だけではありません。この道、誰が通るかわかりません。速度超過の車同士が衝突して重大事故を起こすかもしれません。
交通死亡事故0日が4,000日を超えたのは、どうしてでしょうか?
私たちが日頃から気をつけて生活しているからです。
努力しているからです。住民の皆さんのおかげです。
住民の安全のためにも、ぜひハンプの設置を検討してください。
それでは次の質問に移ります。
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