差別や偏見のない「まちづくり」

 利根町には多くの外国人留学生や若い労働者が暮らしています。少子高齢化が進む利根町において、20〜30代の学生や若い人が町を歩いていたり、お店で買い物をしている姿を見ると元気になるものです。道ですれ違う際に挨拶をすると、笑顔で日本語で挨拶を返してくれます。

 さて、その外国人留学生や若い労働者について、厳しい指摘や苦情の話を聞くことがあります。

「留学生らしき人が敷地内に入って果物を取って行った。」

「田んぼに入ってバケツいっぱいタニシを取って行った」

「一軒家に最初は2〜4人だった留学生が、いつの間にか10人ぐらいの大人数で住んでいて、なんか怖い、気持ち悪い」

「外国人が近くに住んでいるというだけで、なんか嫌だ」

「ゴミの分別やゴミの収集日を守らない、困っている」

etc・・・


 これらの話を聞いて、皆さんはどのように思いますか?敷地内に入って果物を勝手に取って行くのは犯罪ですので、ダメです。タニシも同様です。しかし、聞くところによると、その人たちの生まれ育った母国では当たり前のことだと言います。要するに文化の違いによって、犯罪になってしまっていて、迷惑をかけているということになります。この件について考えなけらばいけないのは、「どうしたら良いか」です。

 犯罪を擁護するわけではありません。しかし、その背景を考えると、生活が苦しいことから食べる物に困っている。そして母国では許されていることだから利根町でもやっています。根本として、外国から利根町に移り住む人たちが食べ物に困らないだけの生活費をアルバイトで稼げて、なおかつ「やって良いことと、やってはいけないこと」を受け入れた「町」と「学校」が責任を持って教えられれば、前述したようなことは防げるのではないでしょうか。

 一軒家に暮らせる人数以上の留学生が暮らしているというのも仕方のないことです。逆に、そのような状況でしか日本で生活することができない状況はストレスがたまります。そのような状況で生活している留学生を「怖い、気持ち悪い」と思うのはおかしいです。何も怖いことはありませんし、何も気持ち悪いことなどありません。外国人が近くに住んでいることを嫌がるというのもおかしいです。ただ国籍が違うだけで、同じ人間です。何が嫌なのでしょうか?

 例えば、夜中に騒いだり迷惑をかけるから嫌だというのであれば、町と学校が責任持って対処するべきです。それも穏やかに。ゴミの分別や収集日を守らせることも同様です。「頭ごなしに怒鳴る・怒る・罰する」ことをすればストレスがたまりますし、逆恨みや逆効果ということもあります。違う国に移り住むということは、知らない世界に飛び込むわけですから、知らないことだらけです。言葉もわからない、文字を読むこともできない人が多いことでしょう。だからこそ、サポート体制は必須です。町と学校にはその責任があります。町の税金は住民の生活を「ゆたか」にするために使うべきです。外国人留学生や労働者も立派な町民です。町民の生活を助けるのが行政の仕事であり、住民自治です。

 最後に、利根町で素晴らしい取り組みをしている地域「羽根野台」の取り組みを紹介します。「羽根野台」では夏祭りに外国人留学生や労働者を招いて、食券を配布(無料)して好きな物を食べてもらい、ステージで地域の皆さんに自己紹介もお願いしています。そして、地域住民の皆さんと一緒にダンシングヒーローを踊ってもらっていました。お祭りに参加することで地域住民との接点ができ、顔と名前を知ってもらうことで仲良くなれます。仲良くなるということは、文化の違いで問題が起きたり地域住民に迷惑をかけるようなことがあっても、気軽に注意と説明をすることができます。よって、それ以降の問題を未然に防ぐことができます。ゴミの分別や収集日を間違えた際にも、顔と名前を知っているだけで「それは違うよ。」とか「そのゴミは何曜日だよ」と優しく教えることができると思います。

 また、「羽根野台」では芋煮会を開催した時にも外国人留学生や労働者を招いていました。鍋いっぱいの芋煮をプレゼントしていました。外国人留学生や労働者に食べる物をサポートし、少しでも生活を助けてあげたいという思いで行なっています。羽根野台ではこのような取り組みを自治会で行なっていますので、利根町のどの地域よりも留学生たちとの交流は進んでいます。ぜひ、利根町全員で見習っていただきたいですし、町をあげてこのような取り組みを推進していくべきではないでしょうか。


 私自身、ブラジルで生活していた時に「日本人」であることから人種差別を受けました。その経験があるからこそ、一人で見知らぬ国にやって来て生活することの難しさ、寂しさ、苦労がわかります。国籍が違うというだけで差別したり、偏見を持つのはやめましょう。みんな同じ利根町民です。利根町で生活する仲間です。みんな仲良く、笑顔で明るく楽しく暮らせる「まちづくり」を目指します。

みね山のりあき(峯山典明)公式サイト

このウェブサイトは、利根町議会議員(2019.4〜2021.6、2023.4〜現在)みね山のりあき(峯山典明)の公式サイトです。